海外に移住して看護師として医療機関に勤めるには、取得が難しい国際看護師の資格が必要ですが、ボランティアとして海外で看護活動をする分には、こうした厳格な資格は必要ありません。ボランティアの期間は様々で、ジャパンハートという日本の団体による企画であれば、数日間から1週間程度という短期間の海外活動も可能です。ジャパンハートに参加する際には、通訳が同行するので、語学力不足であっても心配はないでしょう。ただし、ジャパンハートの場合、費用負担は個人に任されることがほとんどで、滞在費用の捻出方法を参加者が考えなければなりません。

一方、青年海外協力隊や国境なき医師団は、海外の滞在期間が長く、半年から2年間ほど海外の発展途上国の医療現場で看護師として活躍できます。費用負担についても、原則として旅費や滞在費は運営団体から支援を受けられるため、参加者個人が費用の捻出に頭を悩ませる必要もありません。また、看護師が本業の仕事を休んで休業補償を受けずにボランティアに参加する場合には、国境なき医師団のような団体から給与の一部を補填してもらえることもあります。

いずれにしても、日本の看護師の資格があれば問題なく、語学力さえあれば現場で医療技術を駆使して現地の人たちの医療支援に当たることができるでしょう。もっとも、国境なき医師団などのボランティア医療支援に参加希望する看護師の数は多く、応募したからといって、必ず参加できるとは限らないので注意しましょう。